ひとり親が受けやすい職業訓練 「ひとり親推奨」38コースの中身

職業訓練のコース情報には「受講を推奨する方」という欄があり、そこに「ひとり親家庭の方」と書かれたコースがあります。当サイトに掲載している1,968コースを調べたところ、該当するのは38件でした。どこで、どんな形で、いつ受けられるのかを、実データから整理します。

この記事のデータ 2026年10月14日時点で当サイトに掲載している募集中・募集予定の1,968コースを集計しました。出典は各コースページに記載しているとおり、厚生労働省ハローワークインターネットサービスの公開情報です。「受講を推奨する方」の欄に「ひとり親家庭の方」とあるコースと、訓練の種類に「母子家庭の母等の職業的自立促進訓練」とあるコースを数えています。募集状況は日々変わるので、最新の情報は各コースのページとハローワークでご確認ください。

「ひとり親推奨」は38コース

コース情報の「受講を推奨する方」の欄に何か書かれているのは、1,968件のうち167件だけです。中身を分けて数えるとこうなりました(1つのコースに複数書かれていることがあります)。

新規学校卒業者127コース
未就職の方55コース
ひとり親家庭の方38コース
被災者の方7コース
外国人の方6コース

38件はすべて公共職業訓練で、求職者支援訓練はありませんでした。つまり、この38件はどれも月10万円の職業訓練受講給付金の対象コースではありません。公共職業訓練を受けながらの生活費は、雇用保険の基本手当を受けられるかどうかで変わります。仕組みは失業保険をもらいながら訓練を受ける仕組みにまとめています。

「推奨」は「限定」ではありません

推奨者欄に書かれていないからといって、ひとり親の人が受けられないわけではありません。逆に、書かれていても選考は他の人と同じように行われるコースが大半です。この欄は「こういう人に向いています」という目安と考えてください。

8道県に偏っている

38件の所在地は8道県だけでした。

神奈川県12コース
兵庫県6コース
滋賀県6コース
広島県4コース
香川県3コース
大分県3コース
北海道2コース
埼玉県2コース

ほかの39都府県にひとり親向けの訓練がない、という意味ではありません。推奨者欄に書くかどうかは訓練を実施する都道府県や学校によって違うためです。お住まいの地域で見つからないときは、ハローワーク(子育て中の人向けのマザーズハローワークを含む)で「ひとり親向けのコースはあるか」と聞くのが確実です。

母子家庭の母等向けの専用訓練は11件

推奨者欄とは別に、訓練の種類そのものが「母子家庭の母等の職業的自立促進訓練」になっているコースがあります。厚生労働省の資料では、就職前の準備講習と職業訓練を組み合わせた事業と説明されています。当サイトの掲載分では11件でした。

滋賀県6コース(事務4・医療事務1・介護1)
大分県2コース(FP・簿記経理、医療事務)
埼玉県2コース(Officeソフト、簿記会計)
徳島県1コース(販売実務)

滋賀県の6件は、対象者の欄に「母子家庭の母または父子家庭の父等」「訓練開始前に3日間の準備講習を受講できる方」と書かれています。父子家庭も対象に入っている点に注意してください。徳島県の1件は、児童扶養手当や生活保護を受けていて、福祉事務所を通じて受講を希望する人も対象として挙げています。

滋賀は「一般枠の横に2人の専用枠」

滋賀県の6件は定員がどれも2人です。同じ学校・同じコース名で定員15人の一般のコースが別に載っていて、開講日も同じです。つまり、一般の15人とは別に、ひとり親向けの2人の枠を設けている形です。教室では一般の受講生と一緒に学ぶことになると考えられますが、詳しい運営は学校に確認してください。

枠が2人と小さいので、応募が多いと選考になります。一般枠にも同時に申し込めるかどうかは、ハローワークで確認しておくと安心です。

どんな分野のコースか

38件を分野別に見ると、事務・経理が19件と半分を占めます。

事務・経理19コース
製造・ものづくり5コース
IT・Web5コース
医療事務3コース
電気・設備2コース
その他(建築・販売・介護・デザイン)各1コース

事務系が多いのは、短期間で就職につなげやすく、日中の時間帯で終わるコースが多いためと考えられます。事務系コースの選び方は事務・経理の職業訓練で取れる資格と就職先にまとめています。

3か月コースと1年コースに分かれる

期間は大きく2つに分かれます。

3か月18コース
4〜6か月7コース
1年12コース
2年1コース

3〜6か月の25件は受講料無料です。このうち22件は民間の学校に委託された訓練で、テキスト代は5,830円〜22,000円でした。北海道の2件はテキスト代以外も含めて計28,633円・30,090円、兵庫県の6か月コース(給食調理)は計60,000円となっています。

1年以上の13件は、神奈川県立西部総合職業技術校の7件、兵庫県の神戸高等技術専門学院の5件、大分県の佐伯高等技術専門校の1件で、どれも県立の訓練校のものです。このうち神奈川の7件と大分の1件は「普通課程」で、無料ではありません。掲載されている自己負担額は14,500円〜89,000円(教科書代など)で、授業料の扱いは学校に確認が必要です。兵庫の5件は受講料無料ですが、テキスト代などを含めて計50,000円〜70,000円が見込まれています。費用の考え方は受講料無料でも自己負担はいくら?を参考にしてください。

子育て中の人への配慮が書かれたコース

神戸高等技術専門学院の「ものづくりオフィスワークコース」は、対象者の欄に「義務教育課程までの子育て中の方を優先」とあります。香川県の「OA経理事務科(高松)」はコース名に【託児つき】とあります。38件のうち、こうした記載があるのはこの2件でした。託児の有無はほかのコースでも各コースページで確認できます。

24件はまだ申し込めない

38件のうち24件は募集開始前で、いま申し込めるのは14件です。締切日だけを見て「まだ間に合う」と考えると、まだ受付が始まっていないことがあります(詳しくは「募集中」でもまだ申し込めない)。

開講時期は2026年12月が16件、2027年4月が14件に集まっています。4月開講の1年コースは、神奈川の普通課程のように新卒者と同じ時期に始まるものです。子どもの進級や入園と時期が重なるので、預け先の準備も含めて早めに予定を立てておくと安心です。

訓練以外のひとり親向け支援

ひとり親家庭には、職業訓練とは別の制度として、資格取得中の生活費を支援する「高等職業訓練促進給付金」や、講座の受講費用の一部を支給する「自立支援教育訓練給付金」があります。支給額や要件は年度や自治体によって変わるため、この記事では金額を載せていません。お住まいの市区町村のひとり親支援の窓口で確認してください。

職業訓練と組み合わせられるかどうかも、窓口とハローワークの両方に聞いておくのが確実です。

探すときの手順

  1. ハローワークに求職申込みをして、ひとり親であることと、通える時間帯・託児の要否を伝える
  2. お住まいの都道府県のコース一覧で、推奨者欄・訓練の種類・託児の有無を確認する
  3. 募集開始日と締切日の両方を確認し、準備講習がある場合はその日程も押さえる
  4. 市区町村のひとり親支援の窓口で、使える給付制度を確認する

申し込みから開講までの流れは申し込みの流れと締切の逆算にまとめています。

まとめ

  • 推奨者欄に「ひとり親家庭の方」とあるのは1,968件中38件。すべて公共職業訓練
  • 8道県に偏っていて、神奈川12件・兵庫6件・滋賀6件で半数近くを占める
  • 母子家庭の母等向けの専用訓練は11件。滋賀では一般枠15人とは別に2人の専用枠がある
  • 38件のうち24件はまだ募集開始前。いま申し込めるのは14件
  • 3か月コースが18件、1年コースが12件。1年コースの一部は無料ではない

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