公共職業訓練と求職者支援訓練の違い

ハローワークで案内される職業訓練は「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類があり、まとめて「ハロートレーニング」と呼ばれています。どちらも受講料は無料ですが、対象になる人と、訓練中に受け取れるお金が違います。この記事では、自分がどちらに当てはまるのかを判断できるように整理します。

この記事の出典 この記事の制度・金額は 厚生労働省「ハロトレとは」 で2026年9月9日に確認したものです。要件と金額は改正されることがあるので、申請の前に必ず最新の内容とハローワークでご確認ください。

2種類ある、という話

ハローワークの掲示板やこのサイトに並んでいる訓練は、制度としては2つに分かれています。

  • 公共職業訓練(離職者訓練)……主に雇用保険(失業手当)を受けられる人向け
  • 求職者支援訓練……雇用保険を受けられない人向け

並んでいる講座名を見ても違いは分かりません。「Webデザイン科」も「介護職員初任者研修科」も、どちらの制度にもあります。違うのは誰が対象かと訓練中にいくら受け取れるかです。

自分はどちらか

判断の軸はひとつだけです。いま雇用保険の基本手当(失業手当)を受けられるか。

会社員として一定期間働いて離職した人は、多くの場合受けられます。この場合は公共職業訓練が基本になります。一方、次のような人は雇用保険を受けられないことが多く、求職者支援訓練の対象になります。

  • 自営業を廃業した
  • 雇用保険に入っていないアルバイト・パートだった
  • 失業手当の受給期間が終わってしまった
  • 学校を出てから就職していない
  • 家庭の事情で長く働いていなかった
ポイント 雇用保険を受けられる人が求職者支援訓練を受けることも、その逆もあります。最終的には、ハローワークが「この人にはこの訓練が必要だ」と判断して受講をすすめる(支援指示・受講あっせん)かたちになります。自分で決めきらずに、まず窓口で相談してください。

訓練中に受け取れるお金

ここがいちばん大きな違いです。

公共職業訓練を受ける場合(雇用保険を受けられる人)

失業手当を受けながら訓練に通います。さらに次が加わります。

  • 受講手当……訓練に出席した日について日額500円
  • 通所手当……訓練校までの交通費(月上限42,500円)
  • 訓練延長給付……訓練が終わるまで失業手当の支給が延びる場合があります

自己都合退職による給付制限期間中でも、訓練を始めると制限が解除されて手当が出るようになる扱いがあります。金額は人によって違うので、ハローワークで自分の場合を確認してください。

求職者支援訓練を受ける場合(雇用保険を受けられない人)

要件を満たすと職業訓練受講給付金が支給されます。柱は月10万円の職業訓練受講手当で、これに通所手当(月上限42,500円)と、家族と離れて寄宿する場合の寄宿手当(月10,700円)が加わります。

ただしこの給付金には収入・資産の要件があり、誰でも受け取れるわけではありません。給付金をもらえなくても、受講料無料で訓練を受けること自体はできます。条件は別の記事にまとめました。

「無料」の範囲

どちらの制度でも、無料なのは受講料です。次は自己負担になります。

  • テキスト代・教材費(コースによって数千円〜数万円)
  • 資格試験の受験料
  • 訓練校までの交通費(手当が出る場合は実質まかなえることもあります)
  • 作業服・工具など、コースによって必要なもの

このサイトのコースページには、公開資料に載っている自己負担額をそのまま載せています。金額はコースによってかなり違うので、申し込む前に確認してください。

最初にやること

どちらの制度でも、入口はハローワークです。訓練校に直接申し込むことはできません。

  1. 住所地を管轄するハローワークで求職の申込みをする
  2. 職業相談で、受けたい訓練があることを伝える
  3. 訓練の必要性が認められると受講申込書が交付される
  4. 訓練校の選考(面接・筆記)を受ける
  5. 合格したら受講開始

締切日は「訓練校に書類が届く期限」ではなく、実質的には「ハローワークでの手続きを終える期限」です。逆算の考え方は申し込みの流れにまとめました。

まとめ

  • 雇用保険(失業手当)を受けられる人は公共職業訓練、受けられない人は求職者支援訓練が基本
  • どちらも受講料は無料。テキスト代と交通費は自己負担
  • 訓練中のお金は、公共職業訓練なら失業手当の延長、求職者支援訓練なら月10万円の給付金
  • 実際にどちらを受けるかはハローワークが判断する。窓口で相談するところから始まる

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